『新世紀エヴァンゲリオン』〜 longing for different future 〜

〜第1章〜『過去と現実』 第3話『勝利と暴走』




「...コ...ココ...ハ......」

視界はぼんやりとしている。
まるで霧の中にいるような感覚がシンジを包んでいた。
思考はまだ回復しきれていない。未だに深い睡魔がシンジを襲ってくる。
起きているのか寝ているのか、それすらもシンジは判らなかった。
ただ、空間を漂っているような、そんな感覚に身を任せるのが精一杯だった。
傍に人の存在を感じる。
視線だけをゆっくりその方向に向ける。
そこには、悲しそうな、辛そうな表情をした少女が居た。
蒼銀の髪と赤い瞳を持つ少女――

あ...や...な...み......

シンジは再び目の前が暗転していくのを感じていた。
足掻く事もせずにその感覚に身を任せる。
深い闇に落ちていくようにシンジの意識は遠のいていく。
途絶える意識の中でシンジは少女の口が言葉を刻んでいるのを感じていた。



『...何...を...言って...いる...の......』

言葉にならない呟きを発すると、シンジは瞳をゆっくりと開いていった。
見慣れた天井があった。
そこは病院の一室だった。
NERV中央病院――
幾度となくシンジが、レイが、アスカが世話になった病院だ。

「...く......ん......くん...」

シンジは傍らから誰かが声を掛けているのを感じた。

だ...れ...
あや...な...み...?

「......くん......シンジ君」

目の焦点が合ってくる。
傍らにいたのは心配そうな顔をしたミサトだった。

「目が覚めた?」

「......は...い...」

ミサトは心底安心した表情を浮かべる。

「心配したのよ。もう丸一日眠ったままだったんだから...」

ミサトは矢継ぎ早に言葉を掛けてくる。
覚醒しかけた意識はそのままに、シンジはただ天井を見ていた。
ミサトが話しかけているのは気付いているが、今だにシンジの頭は、現実を受けとめきれていなかった。

僕は...どうしたんだっけ......。
現実に還ってきて...ミサトさんに会って......。
そうだ......僕は...エヴァに乗ったんだ。

だんだんと意識がハッキリしてくる。それに伴い記憶が蘇ってくる。
自分が思った事――
自分が行った事――記憶のピースが繋がり、徐々に形を成してくる。
今までの行動が明確に思い出された。

「シンジ君! 聞こえてる?」

ミサトの声に天井に向かっていた視線を、再びミサトに戻す。

「......はい」

「本当に大丈夫なの? 痛いとことか苦しいとことか無い?」

「......はい」

「そう...外傷はないし、精神面でも異常は見られなかったとはいえ、無茶しちゃダメよ。まだ本調子じゃないんだから」

「......はい」

「じゃ、話を戻すけど、どうする? さっき言った通り「それでいいです...」」

ミサトの言葉を遮り、適当に返事を返す。
もちろん話の内容は分からない――実際、どんな話の内容でも構わなかった。
自分には行くべき所もやりたい事も何も無いのだから――
そう、与えられた環境で言われた事に従うだけ――今までと同じ事を繰り返すだけ。
考えても無駄な事。どうせ何も変わらないのだから――

「あ、そ、そう!? じゃ、私は手続きをして来るから退院の用意をしていてね」

シンジの即答に戸惑いながらも、嬉しそうに病室を出て行くミサトだった。
シンジは何の感慨も無く、嬉しそうなミサトを視線の片隅に捕らえていただけだった。



退院したシンジは青いルノーに揺られていた。
さっきの話は、シンジの住まいについての話だった。ミサトの家に住むかどうかと聞かれて
「それでかまわない」
と返事をしたのだ。

「荷物の手配もしておいたから、明日にでも届くと思うわ」

「...はい」

呟くように答える。
ミサトは心配そうにシンジを見つめる。

「ねぇ、シンジ君」

「...はい」

「昨日は本当にありがとう。着いて早々、危険な事をさせて悪かったと思ってるわ」

「...いえ......」

「......」

心の籠らない、ただ返事を返しているだけのシンジに、ミサトはどう言葉を掛ければいいか迷っっていた。
ミサトは何かをふと思い出したように、シンジに言葉を投げかける。

「シンジ君、チョッチ寄り道するわよ」

笑顔でそう言うとルノーのアクセルを踏み込んだ。



ルノーは高台の駐車場に停車していた。
第3新東京市が一望できる高台だ。
ミサトは腕時計に目をやると楽しげに囁いた。

「そろそろね...」

ウー! とサイレンの音が響き渡り、眼下に広がる都市の至る所からビルが生えてくる。格納されていたビルが地下から迫り出しているのだ。

「どう? これが使徒迎撃要塞都市『第3新東京市』私たちの町よ...そして、貴方が守った町......」

視線を迫り出しているビルを向けながら、シンジに言葉を掛ける。

「シンジ君、昨日も言ったと思うけど......私には、貴方が何を考えているのかは分らないわ。でもね、貴方にはこれから楽しい未来が待「...変わらない......」」

「えっ?」

遮る否定の言葉に驚きの声を上げると、驚きの視線をシンジに向ける。
その視線の先には辛そうな、今にも泣きそうな表情をしたシンジがいた。

「...変わらないんだ...どんな事をしたって......」

「...シンジ君?」

思いがけない返答とその表情に戸惑うミサト。
シンジの顔を見ているだけで、酷い苦痛を必死に耐えているのが伝わってくる。
何かを悟っているような、それでいて全てに絶望しているような――
自分のポケットには入りきらない、深く重い苦悩を抱えている――
それは14歳の少年が醸し出せる雰囲気ではない。

こんな顔するなんて......この子に何があったっていうの? こんな表情をする子供なんて見たことがない...いえ、大人でもこんな表情はしない...。
この子は何を抱え込んでいるのだろう......何か途方もない悩みを...いえ、悩みなんてものじゃない何か......。
シンジ君......何を抱え込んでいるの......何がそんなに悲しいの?

消え入りそうな声音で、搾り出すように言葉を紡ぐシンジ。

「......ミサトさん......変えられ...ないんだよ......」

ミサトはゆっくりとシンジに近寄るとぎゅっと抱きしめた。
そして――聖母のような微笑を浮かべると、静かに、優しく語り掛けるように言葉を紡いだ。

「...我慢しなくていいのよ......人は泣くことが出来る生き物よ...その為に涙はあるの......。だから...泣きたい時は泣いていいの......」

ミサトの優しい言葉に堪え切れなくなったのか、シンジの瞳から雫が流れ落ちる。

「...泣いてもいいのよ......」

「.........んっ...うぐ...」

まるで、抱え込んでいた苦悩を全て吐き出すかのように、口から嗚咽が漏れ始めた。
ミサトはただ静かに、全ての悲しみを包み込むかのように、シンジを優しく抱きしめ続けた。



「ここが、お・う・ち・よん」

カードキーで扉のロックを外し、顔中に満面の笑顔を浮かべながらミサトが話しかける。
ミサトは高台の一件があってから、殊更明るく振舞っている。何があったか分らないが、心がか細くなっているシンジを、とにかく励まそうと思っての事だった。
それが伝わっているのか、シンジも、ミサトに暗い影を見せないようにと、無理に普通を装っていた。

「さぁ、入って、入って!」

「お、お邪魔します...」

シンジが答えた途端にミサトの顔がきつくなった。
キッ! と睨んだままシンジに語りかける。

「シンジ君、ココはあなたの家なのよ!」

初めてこの部屋に来た時と同じ言葉......。
変わってない......。

シンジにふと懐かしさが蘇る。
まるで、初めて過去に戻った時の様な感覚がシンジを包んだ。
この世界で、こんなに素直に喜びを感じる事が出来るとは思っていなかった。
シンジは、はにかむ様に返事をする。

「た、ただいま」

ミサトは表情を180度反転させると、優しく、愛情を込めて言葉を紡いだ。

「ハイ、お帰りなさい。さぁ、入って」

「はい」

シンジは玄関で靴を脱ぐとリビングに向かうミサトの後に続く。
ふと、違和感を感じた。
何か違う――何かすっきりし過ぎていないか?
そんな、疑問が頭に浮かんだが、とり合えず黙ってミサトの後に続く。

「えっ!?」

リビングに入ると、シンジは驚きに目を丸くした。

「...おかえりなさい。ミサトさん...」

キッチンにあるテーブルに座っていた女性が声を掛ける。
蒼銀の髪――真紅の双眸――

あ...やなみ?

「ただいま、レイ」

ミサトが答える。
シンジはその場に立ち尽くすしかなかった。



「改めて、紹介するわね。彼女がエヴァ零号機の専属パイロット、ファーストチルドレン...綾波レイちゃん。それと...ペットのペンペンよ」

ミサトがさっそく冷蔵庫からビールを取り出すと、シンジにレイとペンペンを紹介する。
レイの膝の上には、頭部を色で染めたペンギンがちょこんと座っている。
視線をレイに向けると、今度はレイにシンジを紹介する。

「んで、こっちがサードチルドレン、碇シンジ君」

「...よ、よろしく......綾波...さん......」

シンジは現状に戸惑いながらも挨拶し、右手を差し出す。
レイは視線を差し出されたシンジの手に合わせ、じっと見つめたまま微動だにしない。ミサトも固唾を呑んで、その状況を見守っている。
レイの膝に座っているペンペンもじっとしている。
シンジは背中に、冷たい汗が流れるのを感じていた。
沈黙が場を支配する――
まるで異世界にでも迷い込んだかのような錯覚がシンジを襲った。コチコチと時刻を告げる音だけが、此処が現実世界で、時間は止まることなく流れているんだと主張しているようだった。
沈黙が支配した時間はわずか数秒だったろうか。
シンジには、その沈黙が数分にも数時間だったように感じていた。

「......よろしく」

ゆっくりとシンジの手を握り、言葉を紡ぐ。

「こ、こちらこそ...よろしく」

紡ぎ出された言葉にシンジは我に返ると言葉を返した。
ミサトもようやくといった感じで、安堵の吐息を漏らす。

「クァッ!」

ペンペンが手(?)をシンジに差し出す。
握手を求めているようだ。
どうやら、順番を待っていたらしい。

「あ...っと、ペ、ペンペンもよろしく......」

ペンペンはシンジに手を握られると、嬉しそうに手をバタバタとさせた。
ミサトが笑顔を浮かべビールを呷る。
暖かな空気がその場に流れたような気がした。



食事の後、シンジは風呂に入っていた。
風呂に浸かりながらも、頭の中は錯乱状態のままだった。
『風呂は命の洗濯よん! ゆっくり湯に浸かって疲れを癒しなさい』
ミサトが言っていたセリフだが、この家に帰ってきてからは、疲れを癒すどころか余計に疲れが増している気がする。

何で、綾波がここにいるんだ......?

シンジがリビングでの緊張の一時を過ごした後、ようやく食事となった。
シンジは現状を把握する余裕も無く沈黙――レイもただ淡々と食事をするだけだったので、食事の間中ミサトの明るい声だけが、何とかその場の雰囲気を和らげていたが、無理して明るく振る舞っていたというのは誰の目にも明らかだった......。
レイの態度は全くと言っていいほど素っ気なかった。
タラップで聞いた言葉は間違いだったのではないか? そう、シンジが思うほど素っ気ない態度だったのだ。
そんな食事でも、シンジには収穫があった――謎がいくつか解けたのだ。
なんと食事はレイが作っていた。もちろん肉料理はなかったが、味付けはシンジ好みで申し分ない。
部屋が片付いていると思ったのも、レイがこまめに掃除をしているお陰だと判明した。
当然、ミサトは何一つやっていなかった。いや――当然、何も出来ないのだ。
食事が終わった後、ミサトの言葉で風呂に入り、ようやくシンジは重い空気から抜け出す事が出来たのだった。

何で、綾波がここにいるんだ......?

同じ質問を、再度自分にぶつける。
冷静に考えれば、ミサトが過去のシンジの時のように、レイを引き取って同居していると、答えは直ぐに出てくるのだが、今のシンジには冷静に現状を捉えることが出来なかった。
何故レイがミサトと一緒に暮らすことになったのかを考える以前に、一緒に暮らしているという発想自体が今のシンジには連想できなかったのだ。
過去との違いがシンジから冷静さを失わせている事は想像に難くない。

「碇君...」

不意に脱衣所から声が掛けられる。
急に聞こえたレイの声に驚いたシンジは、バスタブの中で足を滑らせ、ドボン! という大きな音と共に引っくり返った。

「ぶっはぁ! な、何!? あ、綾波......」

「タオル...ここに置くから...」

「う、うん...あ、ありがとう......」

レイが脱衣所から出て行くのを確認すると、シンジはバスタブから上がり、シャワーのスイッチを入れ冷水を頭から被る。
ようやく頭が冷静になってくる。と同時に、ある事に気付いた。
この家に戻って来てから、過去を全く思い出していなかったのだ。

いろんな事が起こりすぎて、考える余裕もなかったんだ。

シンジは髪と身体を洗うと、再びバスタブに浸かった。
暖かいお湯が冷えた身体を潤す。

思えば、この世界に戻ってきて...
今までと違う事が多すぎる......。

無傷だったレイ――声を掛けてきたレイ――料理を作るレイ――掃除するレイ――いろんなレイを見た事を思い出す。
もちろん、レイだけではなかった。
ミサトの事もそうだ。
泣いていいと言ってくれた時のミサトの顔――
優しく抱きしめてくれたミサト――その姿は母親のようだった。
母親――
頭に浮かぶ母の微笑。ごく最近の見たような――遥か遠い昔に見たような――そんな感覚がシンジを包む。

母さん......

湯に浸りながら、静かに瞳を閉じると、シンジの頭に昨日の戦いがフラッシュバックする。違和感と恐怖に満ちた戦い――第3使徒サキエルとの戦いが――



『シンジ君、今は歩く事だけ考えて!』

リツコに言われるまでも無く、シンジはいつものようにエヴァを動かそうとしていた。

「えっ?」

思わず声に出る。
動かない。
あれほど、自由に動かしていたエヴァがピクリとも動かない。
無線からリツコの声が聞こえてくる。

『シンジ君、歩く事をイメージするのよ』

「だ、ダメです、動かないんです...リツコさん」

『何ですって!?』

リツコの驚きと戸惑いの感情が無線から伝わってくる。
管制室も騒然としているようだ。
勿論、シンジも内心焦っていた。いや、シンジ自身の焦りが一番大きいかもしれない。

そんな...全く動かないなんて!
どうして...どうして動かないの...母さん?

どんな状況だろうと、動かす事自体に不自由した覚えは無い。
例え、乗る気が無くてもエヴァは動く――そう、動くはずだった。

『シンクロ率はどうなっているの?』

『依然変化ありません!』

『起動指数を超えているのに動かないなんて......』

管制室でも原因が掴めていなかった。
既に初号機は、第3使徒サキエルの眼前に射出されているのだ。
動かないじゃすまなかった。
シンジも懸命にレバーを動かしてみる。

「動いてよ...動いて......」

『シンジ君! 前!』

ミサトの絶叫が聞こえた。
シンジが視線を前方に向ける――

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

シンジの眼前にサキエルが迫っていた。
サキエルの腕が初号機の頭部を掴み、抵抗できない初号機に攻撃を仕掛ける。
ガツン! と初号機の頭部に光のパイルが打ち込まれる。
瞬間――襲い来る痛みに耐えるかのように、シンジはギュッと瞼を閉じた。

「えっ?」

シンジが驚いた声を上げる――思ったより痛みが少なかったのだ。
今までの経験からして絶叫を上げる程の痛みがシンジを襲うはずだった。
今は多少の痛みはあるものの、我慢出来ない程の痛みではない。
だが、痛みは少なくともエヴァへの攻撃は続き、確実にダメージを蓄積していく。このまま攻撃が続けば、伝わる痛みも増してくるのは必定だった。

「くっ! 動け! 動いてよ! 何で動かないんだよ! 動け、動けぇぇぇ!!」

シンジの必死の声がプラグ内に響くが、初号機はピクリとも動かない。
ガツン! ガツン! とパイルが打ち込まれる度に、シンジの目の前のモニターにヒビが入る。実際にヒビが入っている訳ではない。シンジにイメージとして伝わってきているのだ。
モニターのヒビが広がるたび、シンジへの痛みが徐々に増してくる。

ガシュゥ!

派手な音を立て、ついに初号機の頭部がパイルにより貫通される。頭部にパイルをめり込ませたまま、初号機は背後のビル群に吹っ飛ばされ、そのままビルに背中から突っ込んだ。
それと同時に、ビルに突っ込んだ時の衝撃と頭部の痛みが、フィードバックしてシンジを襲う。

「かはぁ!!」

あまりの衝撃に肺に残っていた空気が、苦悶の声とともに押し出され、LCLに泡が生まれる。
初号機から、一気にパイルが引き抜くサキエル。
途端に、初号機の頭部から、滝のような鮮血が拭き出し初め、大地を――ビルを――真っ赤に染め上げた。



『頭部破損! 損害不明!』

『活動維持に問題発生!』

各オペレーターより次々と被害報告が上げられる。
緊迫したミサトの声が聞こえる

「状況は」

『シンクログラフ反転、パルスが逆流しています!』

即座にリツコの指示が飛ぶ。

「回路遮断! 塞き止めて!」

『信号拒絶、受信しません!』

「シンジ君の状況は!?」

『モニター不明、反応なし!』

『初号機、完全に沈黙!!』

ミサトの絶叫が管制室に響き渡った。

「シンジ君!!!」



通信が途絶えたが、シンジは無事だった。
初号機の中でシンジの絶叫が響く。

「うごけぇぇぇぇぇ!」

右手で額を押さえ痛みに耐える。
左手は滅多矢鱈にレバーを動かしている。
しかし、初号機はピクリとも反応を示さない。

母さん...動いてよ
何で動いてくれないのさ...。
動いて...動いてよ!
うごいて......
うご...いて......
う...ごい.........

シンジは意識を徐々に失い始めており、既に朦朧としている状態だった。
痛みによって、精神はすでに限界に達しているのだ。
いや、痛みよりも以前から――
だが、そんな事は今のシンジには関係なかった。
最後の気力を振り絞るかのように力の限りに叫ぶ。

「うごいてよぉぉぉぉぉ! かあさぁぁぁぁぁん!!」



ドクン――



その時シンジは、どこかで青白い炎が揺らめいたのを感じた。



雫がバスタブに張られた湯に落ちて、柔らかい音色を浴室に響かせる。
シンジは思考を中断させるとバスタブから上がり、そのまま脱衣所に行く。
レイの持ってきたバスタオルに手を伸ばす。

暴走した初号機により使徒を殲滅...。
確かにゼーレと父さんのシナリオ通りに進んだ...。
だけど......どうして、初号機は動かなかったんだ......。

寝巻き代りのTシャツと短パンに着替え終わると、シンジは与えられた自分の部屋に移動する。
シンジは己の内なる母に問いかけるのだった。

どうして、動かなかったの......母さん......。

Please Mail to 葵 薫
( aokao_sec@yahoo.co.jp )

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