新世紀エヴァンゲリオンmessage
あやなみんC
1.回る、歯車
「あら、おはよう」
「おはようございます、おばさま!」
ショートカットの女性の脇を通り、部屋の奥へ向かう栗毛の少女。ダイニングには、新聞を読む、怪しい男。
「あ、おじさま、おはようございます!」
…ではないらしい。
「さぁて…」
にやり、と笑い、息を吸い込む少女。
「起きろ、ばかシンジー!!」
「うぁぁぁっ、アスカ!?」
碇家の朝、否、碇シンジの朝は、少女、惣流アスカラングレーの叫びによって、始まった。
「「いってきまーすっ!」」
見事なユニゾンをし、玄関を飛び出す。
「はい、気を付けて。ほら、ゲンドウさんも早くしないと、冬月先生に怒られますよ」
「うむ…も、問題ない」
女が強い、この一家+1。血は争えぬようだ。
「もうっ、どーしてくれるの!?アタシまで遅刻するわっ!」
「じゃぁ、起こしにこなければいいじゃないかっ!」
走りながら喧嘩をする、シンジとアスカ。器用なものだ。
が、それは長くは続かない。
「「うわぁっ!!!」」
ひっくり返ったシンジ。
急いでスカートを直す少女。
あんぐりと口を開けるアスカ。
そうそう見られる光景ではない。
「ご、ごめん、怪我は!?」
「み、見てないよね…?」
「シンジが謝る必要がないじゃない!!」
…話が繋がらない。
「あっ、やば!転校初日から遅刻とか、まじありえないっ!じゃーねー!!」
呆けるアスカとシンジをおいて、蒼髪、そして赤い目の少女は走り去った。
「さぁ、入りなさい」
「綾波レイです、よろしくっ!」
グラビアモデルよろしくポーズをとる、綾波レイ。彼女が持つ可愛らしさゆえに成せることだ。
「「「あーっ!!」」」
ハモる、三人の声。
無論、シンジ、アスカ、レイの三人だ。
「今朝のパンツ除き魔!」
「さっきはごめん!」
「パンツ見せつけ女!」
やはり、話が合わない。
「「いやぁんなかんじ!!」」
鈴原トウジ、相田ケンスケの声までハモる。
「もうっ、静かにしてぇっ!」
そして、お約束の、委員長、洞木ヒカリの声。
第三新東京市、第壱中学校、2-A。
新たな日常が、始まろうとしていた。
January 20, 2014公開
次回
シンジを狙う、転校生綾波レイ
そんなレイを睨み付ける、アスカ
シンジの対応やいかに!?
新世紀エヴァンゲリオンmessage
「逃げた、先に」
さぁて、お次も、サービス、サービス!