REALIZE AGAIN 第六話

asuka

「レイ!レイってば、とっとと起きなさいよ!」
 まったくコイツってばどうして、毎朝毎朝起きられないのかしらね?
「……」
 何でこのアタシが起こしに来てやらなきゃいけないのよぉ。
「聞いてるの?」
 ようやくベッドの上から体を起こして、こっちを向いたけど、ぼんやりとした目は間違い無くどこにも焦点を合わせていない。
「なによ、今日はまた随分と寝ぼけてるじゃない。……夢でも見てたの?」
「夢……ええ、そうね。あれが、夢?」
 んなこと聞かれたって、ねえ。
「なに言ってんのよ。はじめて夢を見たって訳でもないでしょうーが」
「いいえ、今日が初めて」
 そう言って、レイは少し微笑んだ。
 あたしの初めて見た、優しい、奇麗な顔。
 どんな夢を見たら、そんな風に笑えるのかな……。
「なによ、ニヤニヤしちゃって気持ち悪い。そんなにいい夢だったわけ?」
 どうしても言葉がきつくなるアタシが、最近なんだか少しキライ。
「良い夢……そう、そうかもしれない」
 特に今は。
 こいつが珍しくはっきりと笑っているから。
 その横にいるには、アタシの今の顔じゃあ、どこか歪んだ表情じゃ、つらいから。


fuyutsuki

 薄暗い、夜の司令室に私の打つ駒の音が響く。
「予定外の使徒侵入。その事実を知った人類補完委員会による突き上げか。……まあ、文句を言う事だけが仕事の、うるさい奴らだからな。くだらん連中だ」
 今日の会議は出席せずに済んだが、碇が動けん時は私の仕事になるからな……あまり付き合いたいような相手ではない事だし。
「切り札は、全てこちらが擁している。彼らは何もできんよ」
 それはこの、無愛想な男も同じ事だが。
 雑誌から目線を起こし、言う。
「だからといって、焦らす必要もあるまい。今、ゼーレが乗り出すと面倒だぞ。色色とな」
「全て我々のシナリオ通りだ、問題無い」
 本当にそうなのか?
 腕を組んだ碇の横顔を見ながら、そう思った。
「レイはどうする?ダミーが完成しなければ、あいつらがまた煩いぞ」
「支障は無い、初号機さえ動けばいい」
 碇、レイにこだわりすぎだな……。
「『アダム』計画はどうなんだ?」
 ヘブンズドアの向こうの存在、我々が用意した偽りの『アダム』
「順調だ、2%も遅れていない」
 ゼーレの老人たちとの騙し会いに勝てれば……いや最悪でも、
「では、ロンギヌスの槍は」
 槍が上手く働き、それをちょうど良い時に排除できれば、上手く行くかもしれん。
「予定通りだ、書き換えはすでに終えた。今、作業はレイが行っている」
 碇の動揺の見られない言葉と、あまりにも仮定の多い現状に頭が痛む。
 ……本当に、問題は無いのか?
 俺達はなにか、見落としているんじゃないか?

rei

 右手に槍を持ち、暗い通路を進む。
 ふたつの心を感じる。
 わたしの知らない人々の、司令達の、槍に刻んだ心。

 扉をくぐり、初号機の足をあの人から流れ出した血で濡らしながら、そこにたどり着いた。

 両手で持ち直した槍を構える。
 手に力を込める。
 槍には私の心を込める。

 前のふたつの心を消す事は出来ないけれど。

 私は、かって一つになったこの人に、槍を突き立てる。


asuka

 あーあ、いくらヒカリに頼まれたからって、会ったこともないヤツとデートなんてするもんじゃないわね。
 疲れた気分で階段を登る。
「ま、あの後アイツがどうしたのかは、ちょっと面白いけどね」
 順番まちの列に並んでる最中に、抜け出して帰ってやったもの。
 ……きっちりジェットコースター乗ってたら笑えるんだけど。

 四階にたどり着いて、アタシの部屋の前に立つ。
 隣のドアを見る。
「レイ、まだ帰ってないわよね」
 実験だって言って、お昼に早退したときの様子を思い出す。
「最近、アイツばっかり……なんでなのよ」

kaji

 ん。ああ、もう朝か。窓からさしこむ光の眩しさに目を覚まし、
「……やれやれ、どうしたもんかな?これから」
 奇跡的にゴミの海に飲み込まれなかった客間のベッドで、胸にかかる重み感じ、俺は呟いた。
 起こしてしまわないように、小さな声で。

hikari

 出席を取る先生の声を聞きもしないで鈴原ったらパン食べてる。
 後できつく言っとかなきゃ。委員長として、ね。
 ええと、そう言えば鈴原って、いつもパンだよねぇ。
 この間の料理、気に入ってたみたいだし、そのお弁当とか……
 って、なに考えてるのよ、わたし。
 ちゃんとしなきゃ。
「えー、それでは続いて女子、綾波レイ……綾波は今日も休みか」
 あ、今日も、なんだ……。
 アスカの方を盗み見る。
 綾波さんの席を見て、なんだか不機嫌そうな顔。
 どうしたのかな?
 後で聞いてみよう。

ritsuko

「それで?」
 歩く速度も変えず、私の隣で司令は言った。
「はい、レイの心理グラフそのものは安定傾向が見られます。しかしシンクロの不安定さには改善が見られません。……つまり、ダミーシステムの開発は、事実上不可能です」
 セントラルドグマの闇の中で、ヒールの音を響かせ、決して小さくはない屈辱を感じながら私は、この人に答える。
「そうか、老人どもが煩いな」
「申し訳ありません」
 期待に答えられなかった事が、私を不安定にさせる。
 ……本当に、期待されていたのかは、知らないけれど。
「これまでのデータを全てドイツ支部に送れ」
「ドイツ支部が開発を引き継げるとは思えませんが?」
 レイのようなサンプル無しで、出来ることではないものね。
「あちらにも苦労してもらおう。君は、エミュレーションコアの開発を急げ」
「エミュレーションコア、ですか」
 でも、あれは、
「ああ」
「しかし、それではエヴァはかろうじて動くにしか過ぎません。A.T.フィールドすら発生させられない可能性が……」
「構わん、エヴァが動けばいい。……老人たちに見せ付ける成果も必要だ」
「……はい」
 そして、扉にたどり着く。


 私は入り口に立ち止まり、見つめる。
「レイ、あがっていいぞ」
 私は振り向いて、歩き去る。
「食事にしよう」
 そのまま歩き続けた。
 どうしても、もう随分と小さくなったプライドが何を叫んでも、
 歩調が早くなるのを止められなかった。


 だから、レイが何と答えたのか、私は、知らない。


misato

 シンクロテストの最中、突然日向君に聞かれた。
「ミサトさん、なんだか疲れてません?」
「色色とね。プライベートで」
 それに構う元気がないから、適当に言ってしまう。
 ゴメン、ホント余裕ないのよ。
「加持君?」
 小さな、でも笑いを含んだ声でリツコが言ってくる。
「うるさいわね……」
 まあ、ある意味その通りだけどさ、
「どぉ?二人の調子は?」
 たいした意味なくそう言って誤魔化す。
 話をそらした事自体は、リツコは気付いてる、と思う。

 でも、あたしがさっき考えていたのが、加持に見せられた仮面の巨人の事だとは思っていないだろう。
 ネルフも、リツコも、そして加持もあたしに隠し事をしている。

 ふと、あの子達の映ったモニタを見たら、
 ……それはレイも同じ、きっと何か隠している。
 突然、そう言う声が聞こえてきた。
 今まで、あたしが何かを決めるときに一番頼りにしてきた、なにかの声が。


rei

『みんな聞こえる?目標のデータは送った通り、今はそれだけしか解らないわ。目標に接近して、反応をうかがい、』
 白と黒の縞模様の使徒。
『可能であれば市外上空への誘導を行う。先行する一機をもう独りが援護。よろし?』
 ビルの上、ゆっくりと進んでいる。
『とーぜんあたしが……』
「私が」
 遮り言う。
『え?』
「私が先行します」
 ライフルを手放し、プログナイフを抜いた。
『ちょ、ちょっと、なに言ってんのよ?アンタ』
「お願い」
 アスカを見つめて言う。
 この使徒は特別だから、なにも知らなくては勝てないから。
『……いいわ、レイが先行アスカはバックアップに』
「はい」
 よかった。
『どうしたってのよ、ミサトまで?レイはいつも援護役で……』
『命令です。いいわね?』

asuka

 もう、歩きにくいったらありゃしないわね!
 非難時に放置された自動車に、ケーブルを引っ掛けないように進む。
 こんなの本気で走れば、弾き飛ばせるからなにも関係ないのにぃ。
 だいたい、この間の使徒のときはエヴァが活躍できなかったんだから、今度ぐらい華やかに行かせて欲しいわよね。

 ……幾つか向こうの通りを、慎重に進んでいる初号機が目に入った。
 なんで急に、レイはあんな事言ったんだろ?
 使徒、ってまだそうと決まっちゃいないのよねパターンオレンジとか言ってたし。
 まあ、それでもあんなのは使徒に決まってるか。
 とにかくそれを見つめながら進む。
「レイ、そっちはどう?」
『まだ、もう少し』
 もう!イライラする!

 まだなの?
 レイのいる辺り、使徒を正面において左斜め前を見る。
 やっぱりあちこち引っかかったケーブルの長さが足りなくなったのか、電源ビルの横でしゃがみ込んでいた。
 目線を前に戻す、使徒がのんびりと浮いている。
「こっちで足止めだけでもするわよ!」
 アタシはエヴァだけが、使徒を倒せるってことを証明しなきゃいけないんだから!
 ビルの影から飛び出しレイの代わりに持っていたライフルの狙いをつけて、
『駄目!アスカ!』
 はん!あんなふわふわ浮いてるだけの的なんて、外しっこないわよ!

misato

『こっちで足止めだけでもするわよ!』
 あっちゃー、失敗したかしら?
 ちょっちアスカをバックアップに回したことを後悔した。
 でも、どうしてレイが急にあんなことを言い出したのか、確かめたかったのよね。
『駄目!アスカ!』
 珍しい、レイの大きな声。
 奇麗な射撃姿勢で狙い打つアスカ。
 そして、
「消えた!?」
 鳴り響く警報と、モニタを埋める警告の文字。
「なに!?」
 あたしは、そう叫んでいた。当たり前の結論に気付きもしないで。
「パターン青!?使徒発見!弐号機の真下です」
 そんな?

asuka

「!?」
 アタシの足元に黒い染みのような影が広がる。
「影が?ちょっと、何で!?」
 沈みはじめるアタシ。
 足首に痺れるような感覚。
 力が入らない。
「何よこれ!?おかしいわよ!」
 地面を撃っても何も起きない。
 もう簡単に弐号機を飲みこめるほどに広がった影。
 ……弐号機を飲みこめるほど?……
 じわじわと沈んでゆき、足から力が抜ける。
 嫌。
 上に気配を感じて見上げる。
 見なければ良かった。
 縞模様の球体、使徒。
『アスカ逃げて!アスカ!』
 ミサトの声が耳の上を滑る。
 嫌だ。
 沈んでいく。
 イヤ。
「アスカ」
 レイの声はなぜかはっきり聞こえて。
 だからアタシは、
 落ち着いてしまった、最悪だった。
 沈んでいく。
 解ってしまった。
 ここから逃げ出す方法が。
 思い出してしまった。
 あの時のことを。
 だめだ。やってはいけない。それをすればアタシは自分が許せなくなる。
 沈んでいく。
 いや。
 死ぬのは嫌。
 広がっていく痺れ。抜けていく力。
 沈んでいく。
  沈んでいく。
   沈んでいく。
 いや

 いやだ
 だめそうしてはいけない嫌死ぬ駄目

「レイ!」
 叫んだ。
 あの時と同じに。
 マグマの中と同じに。

 あたしは這い上がった。
 下から支えられて、
 レイに支えられて、
 飛び込んできた初号機に支えられて。

 ビルにしがみ付いて手を伸ばす。
 初号機に向かって。
 もう半分以上その体を影に沈めているレイに向かって。

 意味ないのに、影に触れた腕には、レイの腕には力が入らないのに、アタシに向かって伸ばし返すことなんて出来ないのに。

 あたしはそれを知っていたのに。
 レイが来てくれると知っていたのに。
 それなのに、アタシは叫んだ。

 そして、何も言わないまま、初号機は沈みきった。
 責めてくれたら良かった。

misato

「アンタが!ミサトがレイに先行しろなんて言うから!だから……アンタの所為よぉ!!」
 これは正当な怒りだ。
「……アスカちゃん、こんな事言うのはあれだけど、そもそも、」
「いいの、日向君」
 責任者はあたしだった。
 だからこれは正当な、あたしの受けるべき評価だ。
「……レイは助けるわ」
「ホント?」
 小さな声、あたしを見るアスカ。
「ええ。もちろん」
 自分に出せる一番優しい声で言った。
「……アタシのせいなの、本当は。アタシ、わかってて、レイがきっと来てくれるって、し、知ってて、レイを……」
 アスカを引き寄せ、抱きしめる。
「いいの、それ以上言わなくていいの」
 そっと、ささやく。
「お願い……たすけて」
「ええ、もちろん」
 責任者は、今でもあたしだから。

rei

「どうしよう?」
 独り呟く。
 きっと外では強制サルベージの準備をしている。
 それでもいいかもしれない。
 別に代わりはあるから。

 でも、ここから、自分で出ることは出来る。
 そう思う。
 私と、初号機が本当にシンクロすれば。

 だけど、それはいや。
 初号機はあまり好きじゃない。
 私と、あの女の人の匂いしかしない初号機は。


ritsuko

「エヴァの回収について、一切の指揮は私が取ります」
 私はミサトの顔を見るなり、そう言った。
「エヴァの回収?パイロットの救出じゃなくて?それにリツコが指揮を取るって……どう言うこと!?」
 ごめんなさいね、ミサト。
 心の中でだけ謝ったのは、罪悪感のせいだろうか。
「992個、現存する全てのN2爆雷を投下、同時にエヴァのA.T.フィールドで使徒の虚数空間に干渉。この際生じるエネルギーにより初号機を強制サルベージします」
「でも、それじゃレイは……」
 死ぬでしょうね、どうせ次の体に移るだけだけれど。
「作戦目的の第一は初号機の回収です。この際、パイロットの生死は問いません」
 これをあの人は、何を思って許可したのかしら。
 初号機とレイを天秤に載せて、少しは悩んだのだろうか。
「……そこまであなた達が、エヴァにこだわる理由は何?」
 いいえ、エヴァではないわよ。
 初号機なの、あの人が見ているのは。
 ……それにしてもミサト、『あなた達』?自分はどうするのかしら?
 ネルフと、加持君と、どちらに付く気?
 ……それともあなた独りで何か出来るつもりなの?
「エヴァって何なのよ!」
「あなたに渡した資料が全てよ」
「嘘ね」
 ええ、そう、嘘よ。


 最低だ、私は。


asuka

「嫌、そんなの絶対に嫌!」
 何言ってんのよあんた等ぁ!
「アスカ、これはもう決まった事なの。司令の許可も下りているのよ」
 そんなの知らない。
「とにかくアタシは、救出作戦以外、絶対に参加しないわよ。いいえ、もしもそんな事をあたし抜きでもやろうってんなら……」
 突然、何かが裂ける音がした。

rei

「だれ?」
 いつか見た電車の中。
 あの時と同じように私の前に立つ、私と良く似た人に聞く。
『綾波レイ』
「それは私」
『私はあなた、人の心の中の、もう一人の自分』
「もう一人の私?」
 そんなのは、いや。
『それでも私はあなた。あなたの中の、自分が嫌いな綾波レイ』
 どう言うこと?
『私は、自分勝手な私が嫌い』
「そんなこと、ない」
『いいえ、私はアスカを、葛城三佐を、赤木博士を、碇指令を騙している。自分のために』
「だって、」
『そのせいで、みんな前より危険なのに。もともと三人居たはずなのに』
「私がいる。前よりずっと戦える私がいる」
 だから、大丈夫。これまでだって、やってこれたもの。
『それに、弐号機パイロット』
「アスカ?」
『嘘吐き』
 笑い顔、唇を歪めた、嫌な顔。
「なに」
『本当はそんな名前で呼びたくないくせに。憎んでいるくせに』
「なにを言うの?」
 わからない。
『羨ましかったのでしょう。弐号機パイロットのことが。同じところに住んで、いつも視線を引き寄せて、思われていて』
 声を上げて笑いながら続ける……もう一人の私。
「……いいえ」
 声が震える
『だから、引き離したの?自分の手に入らないものを、弐号機パイロットが簡単に手に入れるのを見たくないから?』
「違う!私は!」
『約束したから?』
 ええ
「そうよ」
『本当に?』
「どう言うこと?」
 あなたがたとえ私でも、そんな事を言わないで。
 あの約束を守る邪魔はしないで。
『……あれは約束なんかじゃない』
 やめて
『ただ、あそこに居たくなかっただけ。あんな姿を見ていたくなかっただけ。ただの意味なんてない言葉に勝手に飛びついただけ』
 お願いだから。
『それだけじゃない』


 もう、やめて。
 でないと、


ritsuko

「状況は?」
 使徒の本体に異常な振動とエネルギーが観測されていた。
「わかりません」
「全てのメータが振りきれています!」
 沸騰したかのように波打つ影。
「……まだ、何も、何もしていないのに」
「まさか、レイ?」
 ミサトの呟き。
「あり得ないわ、初号機のエネルギーはゼロなのよ!」
 もしも、あれが初号機に拠るものだとすれば、それが意味するのは……
『……レイ?』
 アスカの声に答えるかのように、実はそれこそが影に過ぎないはずの球体がひび割れる。
 そして、咆哮を上げる初号機が、それを鮮血と共に引き裂き、
「なんてものを、なんてものをコピーしたの、私達は……」
 ついに使途を断ち割って、大地に降り立つ。
 雄叫びを上げる初号機。

 夜明けの逆光に包まれ、両足を広げて立つその姿。
 それは、私の、この場にいる全ての人間の、恐怖そのものだった。


misato

 その病室の中では、さっきまで謝り続けていたアスカが、頬に涙の後を残したままに、レイに髪を撫でられながら、ベッドに上半身を伏せて、柔らかな顔して、寝ている。

「ねえ、アスカの命令違反何とかならない?」

「……別にかまわないわ。結局、作戦は中止になったのだし。それに技術部は軍隊じゃないもの」

 小さく笑ってリツコはそう言い、あたしも笑い返す。
 お互い、どこか嘘の混ざった微笑みだったけれど。
 それでもまだこの時、あたし達は笑い合うことが出来ていた。



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