…朝……?……なんだか背中が変な感じ…。

…なに?…これ?…背中から…何か…生えてる。

ぱたぱたぱた


その朝、起きたら羽が生えていた…

Written by XXXs


これでは服が着られない…。

このまま学校へ行ってしまおうか…。

それはダメ。「外へ出る時は服を着なさい」これは赤木博士の命令。

服が着れないから、今日は学校へ行くのはやめておこう。

寝てれば治るかもしれない。

ごそごそ…

…羽が邪魔で寝にくい…。

うつぶせになるか、横向きになるかしないと…。

ごそごそ…

これで大丈夫。

おやすみなさい…。


く〜…すやすや…





「…なみ、綾波、いないの?」

…?…碇くん?

コンコン

ドアをノックしている。

鍵は開いてるから入ってくればいいのに…。

ペタペタ…

ガチャ…

「入って…」

「!!」

ぱたぱたぱた

…?

どうしたの?碇くん。目を丸くして固まってしまった…。

そう…この羽に驚いたのね…。

ぱたぱたぱた

「碇くん?」

「…天使…」

「碇くん?」

「はっ!あわたた!ご、ごめん!」

碇くん、急に後ろを向いてしまった…。耳が真っ赤…。

「どうしたの?どうして謝るの?」

「だ、だって、綾波、裸じゃないか」

「私は別に気にしないわ」

「ぼくが気にするんだよ!お願いだから、何か着てよ!」

変なことを気にするのね、碇くん。

「でも、この羽が邪魔で、服が着れないの…」

ぱたぱたぱた

「えっ…あっ…」

あ、振り向いた…のに…また後ろを向いてしまった…。

碇くん、この羽に驚いてたんじゃないの?

「そ…それでか…。ぼく、一瞬、天使が立ってるのかと思っちゃって…。
その…すごく、奇麗だったから…、思わず見とれちゃったんだ…」

そう…私…奇麗なの?…なにか…不思議な気持ち…。

「と…とにかく、身体にシーツか何かまとってよ。ぼく、目のやり場が…」

碇くんを困らせてはいけないわね。

「解ったわ…」

ペタペタ…

シュル…ゴソゴソ…

羽が邪魔で背中からお尻に掛けてはどうしても隠れないけど、前は隠れたわね。

「これでいい?」

やっと振り向いた。でも…
奇麗だって言ってくれたのに、どうしてそんなに恐る恐る見るの?
やっぱり、羽なんか生えたら変かしら…。

「あ、うん、ありがとう。
上がるよ?」

「ええ…来て」

碇くん、入ってきて、私の前に立つと、遠慮がちに私の羽を見ている。

「だけど、どうしたの?その羽…」

「これ?」

ぱたぱた

「朝…起きたら、生えてたの」

「へぇ…」

「それで服が着れなくって、学校を休んだの」

「そっか、じゃ、こうしよう。綾波のシャツを貸してくれる?」

碇くん、鞄からハサミと針と糸を取り出した。
そういう物、持っているのが普通なのかしら?

「背中をこう、切り取って、羽を通す穴を開ければいいだろ?
…ちょっと付け根を見せてくれる?」

「うん」

背中を向けた。

「へぇ…こうなってるんだ…。
あの…触ってみて…いい?」

「ええ」

さわ…

「柔らかいんだね…」

ふにふに…

ピクッ
「あぅん」

あ、変な声出ちゃった…。

「あっ、ゴゴゴメン、やっぱ、触んない方がいいね」

「ううん、変な感じだけど…でも、嫌じゃない…」

「じ、じゃ、ちょっと寸法測るから」

碇くん、顔が赤い…変なの…。

「ふ〜ん、そうか、ここをこうすれば…」

ジョキジョキ

チクチク…

「さ、出来たよ。着てみて」

お尻から肩の辺りまで切り込みを入れて、羽を通せるようになってる。

最後にお尻の上辺りを2ヶ所、ボタンで止めるのね。

「いいみたい…」

「うん、うまくできたよ。制服の方も背中開けとくから」

ジョキジョキジョキ

チクチクチク…

「はいできた。これなら明日は学校に来れるね」

「うん、ありがとう…」

「これくらいお安い御用さ。
それに、綾波が学校に来ないと、ぼくも寂しいし…」

「え…」

碇くん…私がいないと…寂しいの?

「あ、いや、今日はもう帰るけど、明日は他のシャツも同じ様に作ってあげるよ。
それに、学校の帰りに本部へ寄って、リツコさんに相談しよう。
プラグスーツも改造しないといけないからね」

「そうね。そうする…ありがとう…碇くん」

「うん、じゃ、また明日」

「また…明日」

ガチャ…


碇くんは帰ってしまったけど、まだ碇くんの匂いが残ってる…。

なんだか、不思議な気持ち…。

明日は…このシャツを着て、学校へ行ける…。
また…碇くんと会える…。
この気持ち…私…嬉しいのね…。

ありがとう…碇くん…。

ぱたぱたぱた


To Be Continued...

あとがき
をいをい、それでいいのか?ふたり共…(^_^;)

というわけで、思いつきでぱたぱたレイちゃんを書いてしまいました。
オリジナルのぱたぱたレイちゃんとはちょっと違う性格付けですが、いかがでしょう?

ぜひ、あなたの感想をこちらまで>[ xxxs@kiwi.ifnet.or.jp ]

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