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ぱたぱたの(参)

Written by XXXs


ぱたぱたぱた

「碇くん、碇くん」

「あれ?…おかしいな…今、綾波の声がしたような…」

ぱたぱたぱた

「碇くん、碇くん」

「綾波?…気のせいかな?」

ぱたぱたぱた

「碇くん…私はここ…」

「わっ!!あっ綾波?!…なんでそんな小さくなっちゃったの?」

なんと、レイは10cm程の大きさになってしまっていた。

「解らないの…。お昼寝してて、目が覚めたら、小さくなってたの…」

「え?…羽が生えたり、小さくなったり…綾波って、寝相悪いんだね」

「シンジ?何ブツブツ独り言言ってんのよ、気持ち悪いわね」

「あ、アスカ、違うんだ、綾波が…」

「え?ファーストが来てんの?…いないじゃない?」

「いや、ここに…」

「なにこれ、ファーストのフィギュア?アンタ、マニアックねぇ。
しかも裸じゃない!このスケベ!!」

「私…人形じゃない…」

「へっ…なっ何よこれ!!しゃべったわよ!!」

「だから、それが綾波なんだってば!」

「はぁ?」



「…なるほど、事情は解ったわ。
でも、アンタも、そんなちっちゃくなっちゃったんじゃ、
シンジといい事出来ないわねぇ〜」
ニヤリ

「あ、アスカ、何言ってんだよ!」

「いいの。このサイズなら、いつでも碇くんと一緒にいられるもの」

ゴソゴソ…

「あっ綾波!変な所に入らないで!!」

「ちょっと、ファースト?!どこに入り込んでんのよ!やらしーわね!!
ほら、出てきなさいってば!!」

「あっアスカ!!そんな所に手を突っ込んじゃ!!」

むぎゅ!!

「ほら、掴まえた!!」

「ひててててアスカ、それ、違う…」

「え?………っきゃ〜っ!!エッチ!バカ!!変態!!このドスケベ!!」

キン!!

バタバタバタ
バタン!!

アスカの膝がクリティカルヒット!シンジ悶絶…。

「あぐぐぐぐ…ひどいよ…アスカ…自分が勝手に掴んだんじゃないか…」

「碇くん…大丈夫?…苦しそう…」

「はは、なんとか…。あ、綾波も無事だった?」

「うん…弐号機パイロット…乱暴な人ね」

「ところで綾波、ここまでどうやってきたの?」

「ドアが開けられなかったから、窓から飛んできたの」

ぱたぱたぱた

「夜だし、この大きさなら裸のままでも誰にも見つからないと思って…」

「だけど、ちっちゃいからって、裸じゃマズイよ」

「でも、着れる服、無いもの」

「とりあえず、このハンカチでも巻いてて…」

「うん…」

まきまき

「でも、そうだね、さすがにそのサイズの服は…。
あ、そうだ、アスカが人形の服でも持ってればいいんだけど…」

「でも、あの人、人形は嫌いみたいだから…」

「そ…そう?…ま、今は声を掛けない方がいいか…。機嫌悪そうだし…」

「そうね」

「じゃ、夜も遅いし、とりあえず今日はもう寝よっか」

「うん」

ぱたぱたぱた

「えっと、綾波のベッドは…」

「私、碇くんと一緒のベッドがいい」

「えっ?いっ、いくらなんでも、それはマズイんじゃ…」

「…お願い…」
じっ…

(う…そんな…上目づかいで…かっ…かわいい…。
そっそうだよな、綾波がこのサイズじゃ、間違いは起きないだろうし…)
「う、うん、じゃ、一緒に寝ようか」

「ありがとう…」
にこり

(はぅっ!…ドキドキ…。綾波の笑顔って、破壊力有るなぁ…)




その頃、アスカの部屋では…

for(;;){
Asuka("シンジのアレ…握っちゃった…ドキドキ…");


思考が無限ループに陥ってしまっているアスカだった…。




「じゃ、綾波は、ここで寝て」

ぽふぽふ

シンジは自分の枕元にタオルで急造したレイ用のベッドを用意した。

ぱたぱたぱた

「うん、ありがとう」

「じゃ、おやすみ…」

「おやすみなさい…」




(何だろう…いい匂いがする…温かい…何か…温かいものに包まれてる感じがする…。
この感じは…母さん?…いや…違う…これは…)

シンジは不思議な感覚に目を覚ました。

(…?…真っ暗だ…何も見えない…でも、この感触は?)

ふにふに

「う…うん…」

(えっ?)

むにむに

「んん…むにゃむにゃ…」

「もがもご?!」(綾波?!)

(いつの間にか綾波が元のサイズに戻ってる!!
しっ、しかも、この体勢は…
頭を抱きしめられて、顔に綾波の胸が押し付けられてるんだ!!
マズイ!マズイよ!!)

「もがもご!もがもご!!もぐもご!!」(綾波!綾波!起きてよ!!)

「は…うぅん…碇くぅん…」
きゅっ

(わ〜っ!そそそそんな、強く抱きつかないでぇ〜!!
そんなことされたら、ぼくは…ぼくは…ぼくは…はぅ…)

かくり…



「んっ…ふぁああ…んんっ…」

ぱたぱた

あれ?私…元のサイズに戻ってる…。

「??…碇くん?」

碇くん?どうしたの?白目剥いて鼻から血を流してる!!

「碇くん?!碇くん?!大丈夫?碇くん?!」

バタン!!

「くぉら!!このケダモノシンジ!!ファーストに何してんの?!…って、あら?」

「碇くんが…碇くんが…死んじゃう…」

「あら、アンタ、元の大きさに戻ったのね」(チッ!)

「あなたが碇くんをこんな目に遭わせたの?」
キッ

「ちっ違うわよ!私は何もしてないったら!
どれどれ?ちょっと見せてみなさいよ…。
はは〜ん、なるほどね。シンジは鼻血を出して白目を剥いてる。
アンタの胸にはその血がこびりついてる。
つまりこういう事ね。
アンタ、寝てるうちに元の大きさに戻っちゃって、
そのままシンジに抱きついて寝てたんでしょ。
途中でシンジが目を覚ませばそうなって当然ね。
ま、死にゃあしないわよ。
少し頭を冷やしてやれば目を覚ますでしょ」

「そう…良かった…」

「それよりアンタ、シンジが目を覚ます前に、何か着ときなさいよ。
じゃないと、またぶっ倒れるわよ、コイツ。
アタシのお古あげるから」

「あ…あの…ありがとう…アスカ…」

「へっ?…かっ勘違いしないでよ!!別にアンタの為じゃなくって、シンジの為、
…じゃなくって、ああもう、何でもいいわ!とにかく!!人前では、服を着なさい!」

「うん…そうする…」

ぱたぱたぱた



「う…ぼく…死んだのかな?…なんだか…天国にいるような気分だ…」

ぱたぱたぱた

「あ、碇くん、良かった、目を覚ましたのね」

「あ、綾波…元に戻ったんだね。良かった。
でも、小さくなった綾波はかわいいけど、巨大化はしないで欲しいな…」

「それは無いわ。オリジナルで既に使ってるネタだもの」

「え?なに?」

「…なんでもない」

ぱたぱたぱた


To Be Continued...

あとがき
精神汚染が進んでますね(^_^;)。

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