時
時は、留まる事を知らない。
周りの時は、とてもゆっくり流れていく。
とても速く流れていく。
自分は流れの外にいる。
・・・その悠久の時が、澱み始めた。
その ただ流れるだけの時は、加速を始めた。
目の前に、一人の少年が現れた。
その人は、流れを狂わせる。
時が、意味を持ち始める。
何処かへ向かって、走り始める。
たくさんの人が、自分の時に絡まり始める。
・・・その少年が側にいると、時はゆっくり横たわる。
穏やかに、そのまま止まって欲しいくらいに。
やがて、たくさんの人は 自分の時には絡まなくなった。
それぞれが、それぞれの時を走るのに精一杯だから。
そして、自分の時は加速し続ける。
速すぎるほどに、加速する。
全ての力を振り絞って、時を駆けぬける。
自分の全てを使って、走りぬける。
・・・穏やかな、その人の時を守りたいから。
・・・光が溢れる・・・
涙が零れる・・・
時は、この上ないほどゆっくりと流れる・・・
ゆっくりと・・・
光が、溢れていく・・・
トキは とまった
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written by Kyaribarn.(1997.10.15) f8592463@nv.aif.or.jp
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