ドローソフトでタブレット直接描画は厳しいので、まず手描きでスケッチブックに下描きをしました。
下描きはあくまでも下描きなので大きさやクォリティには頓着しません。ササッと描いて終わりです(^^;。
2B〜3Bくらいの鉛筆で軽くスケッチ。ちなみにこの元絵の大きさは4×6cm位です。
これをスキャナで読み込んで、Photoshopで見やすい濃度に調節、
JpegファイルまたはPhotoShopファイルとして保存
します。
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Illustratorで新規ファイルを開き
「配置」コマンド
で先ほど
JpegファイルまたはPhotoShopファイルとして保存
した下描きを取り込みます。Illustratorも7.0になってビットマップ画像の取り扱いが大幅に柔軟になりました。
これは大助かり(^^)。描画とは別のレイヤーに入れてロックしておけば下描きを動かしたりしてしまう心配もありません。
ここではラインの色が赤に変えてありますが、自分で見やすい色を設定してください。
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で、右上の状態がトレースした線だけの状態です。
なるべく少ない数のコントロールポイントで描くように心掛けましょう。
各ラインが全て閉じていることに注意
。Illustratorで描く場合、特殊な時を除いて全てのオブジェクトは閉じた状態にしておいた方が何かと便利です。
そして、上の絵が全部のパーツの塗りに白、ラインに黒を設定した状態です。
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各パーツに色を設定しました。
さて! Webイラストを描く上での今回のIllustratorの最大の機能アップは、
RGBで色指定ができる
事です(^^)/。これでPhotoShopで開いたときの色変わりに悩まされずにすみます。
これは地味ながらも非常に使える機能アップです。マルチメディア制作の現場などでも大助かりでしょう。
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ちなみに、ラインを「なし」にするとこんな感じです。
これはこれでなかなか面白い雰囲気ですよね。今度はこちらのタッチでなんか描いてみたいと思います。
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IllustratorファイルをPhotoshopで開いて「別名で保存」します。
この時、レイヤーはひとつになってしまいます。Illustratorで作ったレイヤーを保持したい人は
レイヤー毎にCopy&Pasteで2つのソフト間を行ったり来たりしてファイルを作成してください。
ただしとっても面倒くさいです…(^^;。Photoshopで陰影を付けます。
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Photoshopで陰影を付ける前とつけた後のディテールの違いです。陰影付けは主に
「焼き込み」ツールと「覆い焼き」ツールを使って行います
。めんどくさければ、別にブラシで塗ってしまってもかまいません。
パーツ毎にレイヤーを分けておけば他の部分を気にせずにディテール付けが行えます。
今回は、絵柄が可愛らしい感じなので、
描き込みすぎに注意
しながら作業を進めます。それでも、ちょっと描き込みすぎててしまったかも知れません。
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髪は女の娘の命(顔は別、だが)と言うわけで、気合い入れてディテールアップします。
「覆い焼き」
ツールでキューティクルの光沢感を徹底的に描き込みます。
ここで更なるリアルさを狙うなら、髪型に沿って
「パス」
を引いて、地色より明るい色で
「パスの境界線を描く」
コマンドで一本一本髪の毛を描くと言う方法もありますが、今回はやめました…(^^;。
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←一応これで完成。いかがでしたか?
WEB上では、Illustratorなどのドローソフトを使ったイラストが少ないと感じて、
今回この『インチキアスカ様』を制作しようと思い立ちました。
こういう可愛らしい感じのキャラクターイラストもドローで描けるんですよ。
ドローと言うと機械などの精密なイラストを思い浮かべてしまいますから…結構、意外に感じますよね。
今回は、Illustrator上では基本的な描画しか行わずに、ディテールアップは全てPhotoshop上で行いましたが、
Illustratorでもっと細かなディテールを描くことは充分可能です。
何よりドローソフトは、解像度を気にせずに、描いている途中や、描き終わった後でも自由に絵の大きさを変える事が出来ます。
この
「どんな大きさの絵も自由に描ける」
のが、ドローの最大の魅力ではないでしょうか。
引き出しに眠っているドローソフトを引っ張り出して、活用してみてはどうですか? きっと新しい発見があると思います。
……なお、タイトルの
『インチキアスカ様』
は、
『こんな似てなくてかわいくないインチキな絵をアスカ様って言っちゃってきっと下僕の方々の怒りを買うに違いない』
の略でした(^^;。
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