深紅の双眸Piece of Dream
制作記

MetaCreations Painter5.0J/Adobe Photoshop4.0J/GraphicConverter3.6使用

upload:99.09.11

『POD』画像00

 第1段階。
 今回は下絵は、A4サイズのクロッキー帳にスケッチしました。それを600dpiのフラットベッドスキャナー(EPSON GT9500)で取り込みます。スキャニングに凝る人もいますが、僕はあまり深く考えずに気軽に取ってしまいます。どうせスキャンした線は、完成した時にはほとんど残らない運命ですから(笑)。取込み時の大きさは 1552×2056pixelsでした。

 取り込んだ画像にPhotoshopでレベル補正をかけ、背景を白く飛ばします。ここで普通はラインをハッキリさせる為にコントラストを上げるのですが、下絵はあくまで下絵。邪魔にならないように、僕の場合は逆にコントラストを下げてしまいます。

 この絵は、もともと、あるEVA SSのラストシーンをイメージしてスケッチしていました。今回のテーマは、大げさに言えば「人ではない(と思われている)モノの哀しみ」です。
  スキャニングした画像をモニター上でチェック。基本的な路線は問題無いようですが、テーマに対して「人間的」 過ぎる気がしたので、少々軌道修正。当初は「泣いてる」ハズだったんですが、ヤメることにしました。

  
『POD』画像01

 

 第2段階。
 お掃除のためにPhotoshopからPainterにバトンタッチ。
余分な鉛筆線を消していくのですが 、消しゴムツールは使わずに、チョークツールの白で塗りつぶす方法で行きます。理由は……「何となく」です。なんか、消しゴムツールでの消え方が気に入らないんですよね。と言うわけで白のチョークです。チョークの不透明度は20%程度なので、当然、完全に綺麗に消すことは出来ません。 しかしまあ、この消し残した感じがよろしいんじゃないかと(笑)。どんなにやっても紙も痛まないし。

『POD』画像02

 

 第3段階。
  水彩ツールで彩色を開始。今回はあまり細かい描き込みを行わない方針です。
 毎度のことですが、光の方向に注意して彩色を始めます。完全逆光にしてしまうのが一番劇的なのですが、顔が陰になってしまうので半逆光にしました。顔にあまりコントラストを付けると、可愛いくなくなってしまう可能性が高いのですが、左の段階程度のコントラストでは、今回のテーマに全くそぐわないと考え、一歩踏み出すことにしました。彩色と乾燥を繰り返しながらコントラストを高めて行きます。

 

『POD』画像03

 

 第4段階。
 なんかいきなりほとんど出来上がってるし(笑)。じつは、上の絵からここに至るまでには、何度も鼻と唇が描いては消され、描いては消されしたのですが、そういう時は苛ついているので中間ファイルが残されていません(^^;。

 眼を塗り始めていますね。普段はもっと後にならないと眼の部分は手をつけないのですが、今回は鉛筆で黒く描き込まれちゃってる為に、それを消すため早めに手を入れていくことにしました。なんか、真っ赤っかですが、気にしないでください。

 

 

『POD』画像04

 

 第5段階
 コントラストが高くなって、陰の部分が少し増えました。髪の毛は白のチョークでラインを牽いて光が当たってる感じを強調します。

 またしても上の絵からここに至るまで、何度も鼻と唇が描き直されました(^^;。特に唇が決まらずに、本当に何度も描き直しました。

 眼を上の真っ赤っかな状態から左の状態まで持ってきます。画面の左上から光が当たっているので左上から入射して右下に抜けます。要するに左上が暗くなり、右下が明るくなるということです。疑問に思った方はガラス玉に光を当てて、明暗がどうなるかを観察してみてください。

 

『POD』画像05

 

 最終段階。
 実は上の段階でヤメようかと思ったんですよね。これでも良い絵ではあると思うんです。しかし、これでは彼女は「絶対に人間じゃない」 ですね。それでは嫌だったので、やはり瞳にハイライトをいれました。たったそれだけのこと!!

 あなたの綾波レイはどんな少女?

 

   

PRODUCTION NOTES INDEX

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