「機動戦艦ナデシコ」/ホシノルリ
『夏の始まり』制作記

Painter5.0J/ Photoshop5.5J 使用

upload:2001.09.23



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 Painterのチョークツールで下描きを始めます。タブレットで直描き。チョークでイキナリ描き始めてます。色は薄いグレー。 描き始める前にタブレットのトラッキングを忘れずに。
  う〜……手足が長すぎたかな??
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 水彩ツールで彩色を始めます。とりあえず、季節は夏! なので明るい光を感じさせることを念頭に色を置く。むむっ、手と指がどうなってるのか考えずに描き始めてしまった……いいのか?
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 あくまでも観る人に光を感じさせるように注意しながら、水彩ツールで陰影付けを進めます。
 この段階では、背景に関してはまだ何も考えていませんでした。
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 背景は公園の緑の植え込みのようなモノをイメージしました。公園でデートの待ち合わせってシチュエーションのつもりです。
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 彩色を進めます。……しかし、このまま描き進めてもいまいち華やかさに欠ける絵になりそうな気がしてきました。華やかな絵が良いのかどうかというのはまあ別問題で、単なる気分の話なんですが、今回はもっと華が欲しい! と言うわけで対応策のためにしばし頭を悩ますことになります。そこで……
紫陽花の花

紫陽花の葉っぱ
 こういうモノを用意しました。 紫陽花の花と葉のパーツです。これは適当な写真から持ってくるか、新たにパーツごとに描き起こします。写真を使う場合は手を入れて「写真臭さ」をなくしてから使用すること。
 自分は3DソフトのShadeを使って作成しました。
 これを背景に敷き詰めてしまおう、という魂胆です。紫陽花を選んだ理由は、趣味です(笑)。ちなみに、あじさいの漢字表記は「紫陽花」でも「六月花」でも両方可。


 そんなワケでルリだけをレイヤーで抜き出さなければならなくなりました。ので、PainterからPhotoshopへファイルを持って行ってシコシコ背景を削ります。最初っからレイヤー使って描いてる人はこんな苦労はしないんですけどね。
 
ここから以後はしばらくPhotoshopを使用して作業を続けます。


 幾つかのレイヤーに別けて、スタンプやドラッグ&ドロップで葉っぱを配置します。下の方になるレイヤーはレベル補正で彩度・明度を落すなどして調整します。


 同じく、幾つかのレイヤーにスタンプやドラッグ&ドロップで花を配置します。下の方になるレイヤーは、陰になるので当然暗めに調整です。遠くの方になるレイヤーはボカシをかけたり、レベル補正などで調整して、光に煙る感じを出すようにします。(彩度→下げ、明度→上げ、コントラスト→下げです)

レイヤー構成はこんな感じです。
たいして多くはないですね。
 一番後ろの「背景」というレイヤーは、加工前の元の画像をそのまま残してあるものです。保険ですね。
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 単純に人物と花、葉っぱを合わせただけの状態。遠くの方はボケてもいないし霞んでもいません。なんか平面的で、ギッシリとこっちに花が押し迫ってくるよーな圧迫感をおぼえます。これじゃ、雰囲気出ないですよね。そこで……
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 上で書いたように、遠景の花にボカシとレベル補正をかけます。少しは広がりを感じさせるようになったかな? 目指すのは雨上がりの湿度と光の感じです。
 Photoshopでの作業はここでいったん終了。レイヤーを統合してPainterに戻ります。
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 Painterに戻ってきました。まずはレイヤーに切りわけてエッジが不自然になってしまった部分の修正をします。特に髪の毛ですね。 水滴でエッジ際をならして、チョークでラインを曳いていきます。
遠景にポヤポヤと霞んだような不定形の色も置いていきます。
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 紫陽花が妙に黄緑色で綺麗じゃないですね。紫陽花らしい色彩を求めて、上から水彩で菫色を加えていきます。ま、どーゆー色が紫陽花らしいのか? ってのは趣味の問題ですけど。
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 背景が、なんとか自分の中の紫陽花の色になってきたので、安心して髪の毛を描き進めることにします。白なのか蒼なのか……光に透けて白く光る部分と、蒼く沈む部分がある……って考えればいいんですかね(^_^;? ここまでほったらかしだった髪飾りも描き込みます。
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 ……頭の上がなんか窮屈な気が……つーわけでちょいと上を伸ばします。これでちょうど紙の定型サイズです。ああ、デジタルって便利(笑)。
 もっと花畑が広がってる感じのために、また背景にポヤポヤ(笑)の色を置きます。
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 う〜ん、この際お子様ルリちゃんを脱するためにちょっとイメージチェンジ。唇を少しばかりリアルに描き込みます。
 いくらなんでも紫陽花の葉っぱがデカ過ぎるだろうってことで(^_^;; 修正。
  そろそろ、全体の調子を整えにかかります。
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 画面全体を見ながら色の濃度と調子を整えます。
 瞳のハイライトを描き入れて……完成……。

PRODUCTION NOTES INDEX


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