「っちゅーわけやから、センセももう気にせんといてや」
「これがプレゼントだなんておこがましいのだけど、
私たちからの謝罪の気持ちとして受け取ってくれるかしら」
そう言ってリツコから渡されたのは、トウジの生体(クローン)義足の移植手術のスケジュール表だった。
「実際のところ普通の人間への応用はこれがテストケースになるのだけど、
これが成功すれば同じような障害で苦しむ人たちへの光明となるわ」
既に国連を通じた NERV技術部の働きかけにより、自己組織復元に限りヒトへのクローン技術適用が許可されるようになり、法律面での整備も進みつつあった。
「わかりました。もちろん、ワシとしても願ったり叶ったりやけど、
受験が終わってからにしてもらえまへんか。
しばらく入院せなあかんのですやろ?」
「ええ、そうね、もちろんそうさせてもらうわ。
ありがとう」
「いえ、お礼を言わなあかんのはワシの方ですよって。
ほんま、ありがとうございます」