聖夜の絵本

その2



クリスマス・・・パーティ・・・

神様の・・・誕生日・・・

そんなことには・・・関係なく・・・

みんなが・・・集まって・・・楽しむと・・いうこと・・・

ずっと・・・しらなかった・・・

わたしには・・・関係ないと・・・思っていた・・・

でも・・・今は・・・

「なに隅っこの方でじぃぃぃぃぃっと坐ってんのぉ? レ〜イちゃん(^_^)」

葛城・・・いえ・・・ミサトさん・・・

「そう! パーティなんだから! あんたひとりボケッとしてんじゃないわよ!」

アスカ・・・

「トウジぃ、お前ひとりでケーキいっこまるまる食べちまう気か?」
「なにゆうとんのや! 誰も手ぇださんやないけ!」
「なにいってんの! みんなの分あるんだからひとりじめしちゃ駄目!」
「あいかわらずいいんちょはかたいのぅ・・・」
「そーいう問題じゃないとおもうよ・・・」

相田くん・・鈴原くん・・洞木さん・・・そして・・・・

「綾波・・・はやく食べないとなくなっちゃうよ」

碇くん・・・・

「あ〜んたねぇ、そーやってレイの世話ばぁっかりしてるから、
 なっかなかレイ自分からやろうとしないんじゃない?」

「え・・・そんな・・世話なんて・・・」

「してるの! 自分で取らせりゃいいのよ! ほら、手出して!!」

そう・・言いながら・・・
大きめに切りわけたケーキを・・・持ってきてくれる・・・

「(なんだい・・・アスカだって綾波の世話焼いてるんじゃないか・・・)」
「なんか言った? 言いたいことあるならはっきり言うの! はっきり!!」

クスッ

「ん? レイ・・な、なによ、なに笑ってんのよ!!」

クスクスッ

「・・・無理ないと・・・おもうけど・・・」

「シンジィ! あんたまで! って、元はといえばあんたが・・・」

「わ・・・アスカ・・・なにするんだよ!! ナ、ナイフ振り回すのはやめてよ!!」

いつから?・・・こんな光景が・・・楽しく・・・おもえる・・・

「レィ〜〜〜あんたもいつまでもクスクス笑ってんじゃない!!!!」

クスクス、クスクス・・・・






「みんな〜〜〜たのしそ〜〜ね〜〜〜」

「ミサトさん、もう酔っぱらいはったんでっかぁ?」

「ま〜さかぁ、こんなんじゃ、ねぇ?」

「ぼ、ぼくに聞かれても、答えようが・・・」

「ほ〜〜〜、答えられない、じゃぁ飲んだら答えられるのかなぁ?」

「しょうねぇ〜〜〜、あんたま〜だ顔白いしねぇ〜〜〜〜」

「ア、アスカいつの間に飲んで・・・」

「にゃに言ってんのぉ、せっかくのクリスマスに飲まずにいられますかって!」

「そ〜〜〜いうこと!! 飲んで騒ぐのがパ〜ティの基本よぉ」

「さういえば〜〜〜全然飲んでない子がひとりいるわにぇえ」

え?・・・・

「レイ〜〜〜そ〜いえばあんたが飲んだとこ見てないわぁ〜〜〜」

だって・・・飲んでないもの・・・

「レィ〜〜〜おしゃけの飲みきゃたは〜〜〜はやく覚えときゃないと駄目よぉ〜〜〜」

そう・・・なの?

「あ、綾波・・・本気にしないで・・・未成年は・・・」

「そ〜いうことを〜〜〜言う口には〜〜〜こうだ!」

「あ〜〜〜〜じゅるい〜〜〜口移しにゃんて〜〜〜」

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、不潔ぅ〜〜〜〜〜〜〜〜」

「ミサトさんの口移し〜〜〜うらやましぃぃぃぃぃぃぃぃ」

「うっ、うあっ、う・・・ゴックン」

碇くん・・・顔が・・・真っ赤・・・


「さぁ〜〜て、今度はぁ、レイのぉ、番よねぇ」

「うふふふふ、じゃぁ・・・わたゃひが・・・口うちゅしぃ・・・?」

「うふふふふふふふふ、や〜らかそうねぇ、レイの・・・く・ち・び・る」

ふたりとも・・・危険な・・・気がする・・・

「あ、綾波ぃ・・・つかまっちゃ・・・駄目だよぉ・・・」

碇君が・・・こっちに・・・フラフラして・・・やってくる・・・

「なにぃ? シ〜ンちゃん。レイのくちびる奪われるのイヤ?〜〜〜」

「な・・・なに言ってるんですか!!、そーいうんじゃなくって・・・」

「ふゅ〜〜ん、レイとじゃ・・ヤにゃのぉ?・・・
 じゃ〜あ〜〜〜、わゃたしと〜〜〜〜〜したいんだぁ!!」

「アスカぁ!・・・ふたりとも・・・壊れちゃってる・・・」

・・・・・なんだか・・・分からないけど・・・・

・・・飲まないと・・・碇君が・・・こまるのね・・・

テーブルの・・・小さなグラスを・・・手にとって・・・

「ありゃ? レイ自分から?」

「はい」

「ちょっちぃ〜〜つまんないけど・・・ま、いいか、ど〜ぞ」

トクトクトクトク

グラスの中には・・・ほんの少しとろりとした・・・ちょっと薬のような香り・・・

「じゃぁ〜〜〜、レイのにょみっぷり、みしぇてもらうわよ〜〜〜〜」

「あ、綾波・・無理しなくて・・いいから・・・」

「これは、見ものだね、ん?、そうそう1枚とっとくべきだな」
「綾波初めてなんかい、こりゃ見ものやのう」
「葛城さんもアスカも! みんなまだ未成年ですよ!!」
「と、いいつつ赤くなってるヒカリちゃんはな〜〜に?(^_^)」

みんな・・・わたしの方を・・・みてる・・・

グラスを・・・かたむけて・・・口に当てる・・・・

コク

コクコク

コクン・・・コク・コク・コク・・・コックン

「あら・・・みんなのんじゃったわねぇ」

「レイ! えりゃい!!」

苦くて・・・ちょっと甘くて・・・

のどが・・・むねが・・・ちょっとあたたかい・・・

あ・・・かおも・・・なんだか・・・あったかい・・・

あ・・・みんなの・・・かおが・・・ぼんやり・・・・

ぼんやり・・・・・

コテン

「あ、綾波ぃ!!」

「あ〜〜〜〜!! シンジぃ! にゃに膝枕なんかしてるにょぉ!!」

「ありゃりゃりゃ、一杯でこ〜んなに早くおねむとはねぇ、か〜わいんだからぁ〜〜」

「あ、綾波・・・ちょっと・・・」

「い〜じゃないの、寝かしてやんなさぃよお、この色男っ!」

「わゃたしも寝るぅ、シンジの膝枕ぁ!!」

「アスカぁ!!、ビンごと飲んじゃだめぇ!!」

「いいなぁ、シンジばっかり・・・えーいくやしいから一枚!!」

「ケ、ケンスケ!!、やめてよ!!」

「え〜やないか、男の甲斐性ってもんや!」

「そんなこと・・・言ったって・・・」

「シンちゃ〜ん、レイ膝枕するの迷惑なのぉ? か〜いくなぁいのぉ?」

「め、迷惑なんかじゃぁ・・・かわいいと・・・おもいます・・・・

みんなの・・・声が・・・とおくに・・・ざわめいてる・・・

ぼんやりと・・・たのしそうな・・・こえ・・・・

ぼんやりと・・・あたたかい・・・ここちいい・・・

いかりくんの・・・におい・・・・

きもちいい・・・・




「あやなみ・・・わらってる・・・・」








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